カビ・虫食い

●ドライで溶けたり変質してしまうもの
●カーテンの素材を考えよう
●なんでも「ドライ」表示は困ります
●ウレタンフォームはドライできません
●ポリエステルの常識が変わりました
●海外製品の絵表示の見方をお教えします
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 ドライで溶けたり変質してしまうもの
ドライクリーニングに使用している液体は、溶剤と言われる油脂分を溶かす作用のあるものです。適切な素材を使用していない衣料品では、溶けたり変質してしまうものがあります。
■天然ゴムは伸びてしまう
ギャザーの部分などに天然ゴムが縫い込まれている場合、ゴムが溶剤を吸い込んでダラリと伸びてしまいます。

■顔料プリントは色が薄くなる
顔料染料というものでプリントされている場合、染料を止めている樹脂が溶剤で溶けて、色が薄くなってしまいます。

■ビニールレザーはバリバリと割れる
塩化ビニルという樹脂で作られた合成皮革製品は、柔軟にさせていた加工剤が、溶剤に溶けだして本来の硬さに戻り、バリバリと割れてしまいます。
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 カーテンの素材を考えよう
カーテンを選ぶときは、どうしても色柄だけで選びがちですが、暮らしの環境づくりという意味では、素材も重要な要素です。

■レーヨン、綿のカーテンは弱りが早い
紫外線の強い時期に、直射日光を受けるレーヨン、綿素材のカーテンは、、太陽光に半年くらいさらされているだけで、新品よりも弱くなってしまいます。

■合成繊維素材は汚れやすい
ポリエステルなどの合成繊維素材は、比較的強いのですが、静電気を発生しやすく、汚れを引き付けやすいので、定期的なクリーニングをお勧めします。

■組み合わせ素材の場合に注意
強いポリエステル素材の生地に、弱いレーヨン素材の刺繍があるような組み合わせ素材の場合、長期間の使用によって傷んでいるものは、クリーニングなどで、レーヨン部分だけが落ちてしまうことになります。
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 なんでも「ドライ」表示は困ります
PL法(製造物責任法)が施行され、消費者保護の気運が高まっていますが、本末転倒の自己防衛のためと思われそうな表示もあります。

■ドライクリーニングが高級とは限らない
汚れを落とすには、繊維と汚れに適した方法でなければなりません。それによって、水で洗うか、水を使わず溶剤で洗う(ドライクリーニング)かを決めます。衣料メーカーの絵表示には、何でも「ドライ」の表示をつけておけば無難というふう考えているのではないかと思えるものもあります。

■デザインによって水洗いできないものもある
ドライでは落ちにくい汗をよく吸う綿や、ドライで逆汚染しやすいポリエステルなどは、水で洗った方がすっきりとした仕上がりになります。しかし、水によって変形したり、色が落ちたりするといったデザイン上の問題がある場合は、やむをえずドライしなければなりません。
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 ウレタンフォームはドライできません
■色々なものに使われているウレタンフォーム
ウレタンフォームは弾力性に富み、軽く、取り扱いが簡単なことから、座布団やソファーのパッド、スキーウェアなどの断熱材など、広く使われていますが、この素材は、ドライクリーニングには不向きです。熱に弱く、ドライ溶剤によって、ふやける性質を持っているので、変質しやすいからです。このことから、ドライクリーニングを要する生地と組み合わせることはできません。

■パッドに注意
水着やカクテルドレスなどの胸の部分にウレタンフォームのパッドが使用されている場合があります。外からは判別しにくいのですが、そのままドライクリーニングを繰り返すと、素材が変質して、表地が変色してしまうことがあります。

■肩パッドなど外せるものは外して
肩パッドなどのウレタンフォーム製品は、なるべく外してクリーニングに出していただく方が、良いと思われます。
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 ポリエステルの常識が変わりました
■ポリエステルは取リ扱いにくくなリました
「ボリエステル」というと「丈夫で、ジャブジャブ洗えて汚れ落ちが良い」というのが、従来の常識でした。しかし、ハイテク技術によって、よりシルクに近いデリケートな繊維になりました。

■現代のポリエステルは複雑な形の極細繊維です
数年前に登場した時には「新合繊」と呼ばれましたが、現代のポリエステル製品のほとんどは、複雑な形をした極細繊維のこの夕イプになりました。

■へアカラースプレーの色などの汚れが落ちにくい
ヘア力ラーに使われている染料は、ポリエステルを着色しない性質のものですが、現在のポリエステル繊維は細すぎて、染料が生地の奥ま入り込んでしまい取れにくくなりました。また、繊維が細すぎるためアイ口ンなどの熱の影響を受けやすくなっています。
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 海外製品の絵表示の見方をお教えします
海外旅行ではファッション製品の買い物が楽しいものですが、衣料に付いている絵表示の意味はご存知でしたか?一般的な国際絵表示(ISO)をご紹介しましょう。

■水洗いはタライに波線のマーク
国内の水洗いを示す絵表示は、洗濯機を表す四角のマークで、手洗いだけがタライをデザインしたものですが、国際絵表示では、手を入れているもの(手洗い)以外のタライの絵表示は、すべて洗濯機洗いを前提としています。中心の数字は、限度となる水温(℃)を表しています。

■アイロン温度は点で表示しています
アイロンの絵柄の中の黒い点は、アイロンの温度を表しています。点一つは110℃以下、点二つは150℃以下、点三つは200℃以下でアイロンがけしてくださいという意味です。

■日本には無い乾燥機の絵表示
正方形の中に円があるのは、乾燥機に関する絵表示です。円の中の点は乾燥温度を表し、点一つは低温、点二つは一般的な処理で良いという意味です。

一般的な国際絵表示
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